メディカルチェックの目的と健康管理

医療現場で働いていると、メディカルチェックは検査結果を得て、どのように治療すべきか判断することに使う検査だという認識は強いでしょう。確かに、検査結果を見ると患者の健康状態を推察できます。しかし、1対1で考えてしまうと、看護師としては十分な役割を果たせないので注意しなければなりません。この検査結果ならこのように生活を改善すべきといった関係で、患者に説明してもなかなか納得してもらえないからです。メディカルチェックは、もともと健康管理を進める目的で行われていることを留意しましょう。そのうえで、患者がどのような健康管理をしたいと思っているかを考慮するのです。

メディカルチェックでは、血圧測定の実施が一般的と言えます。血圧が140mmHgを越えているから高血圧で治療が必要となり、医師に治療について相談して下さいという流れで説明するのは決して悪くありません。ですが、患者にとっては医療機関の受診も通院も負担です。本当に健康管理のために必要なのかどうかがわからないと、行動は起こしてくれないでしょう。看護師としては、メディカルチェックは患者自身が元気に生きていく方法を考える材料として使うのが適切です。血圧が高いままでは二次疾患のリスクがあることを伝えて、改善した方がずっと元気でいられることを理解してもらいましょう。そのうえで医師に相談するのが良いか、まずは食事や運動の習慣を見直すのが良いかなど、複数の選択肢を考えて患者に提案することが大切です。